言葉
「わたしのいるところ」
ジュンパ・ラヒリ
アメリカの作家ジュンパ・ラヒリが、イタリアに移住してイタリア語で書いた作品。
残念ながら、私は他の作品(英語で書かれた)も、今回のイタリア語作品も、和訳でしか読めないけど。
母語ではない言語で小説を書く、という行為、情熱に強くひきよせられる。
母語とは言っても。
ジュンパ・ラヒリの両親はベンガル人で、家の中ではベンガル語。
外では英語を使う、という二つの言語の中で揺れ動くアイデンティティ。
そして自分にとっての新しい言語、自ら選択して習得したイタリア語。
3つの言語でのコミュニケーション。いったい頭の中はどうなっているのか…
それでも、言葉を超えて。
この小説の中には、読んでいる「私」がいる。
日常の時間。日々を重ねながら、人とすれ違ったり、交わったり。
小さな良いこと、心の傷。
そして、孤独。
人が心を決めるとき、孤独は側で寄り添ってくれるのかもしれない。
「その孤独が、いつか背中を押してくれる」
さあ、新しい小さな一歩を。
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